読書記録と忘備録

家入一真氏の影響で高校生や大学生が電話番号&口座晒しをしている件について考えてみた。

 

ネット界隈をにぎわす男、家入一真

ロリポップJUGEM等のサービスを展開する「株式会社paperboy&co」の立ち上げに始まり、studygift等世間を騒がせてサービスを立ち上げる等、連続起業家として有名な方です。

そんな色々な意味で有名な彼が、またひとつのムーブメントを起こしています。

 

 

先日、起業家スーパーカンファレンスというイベントが行われました。

 この催しは、学生企業を考えているようなアツい学生の間でどんどんと拡散されていたので、僕のTLにも流れてきました。「俺は起業するぞ!!」って3年ぐらい前からいつもツイートしている同級生がリツイートしていたのでよく覚えています。茂木健一郎さんが好きなので、ちょっと行こうかと思いました。行ってませんが。

 

イベントには家入さんも出席したのですが、その際に彼が自ら行なっている、ネット上での電話番号&口座晒しについて触れられたようで、「リスクを取る生き方」に魅せられた学生たち(高校生〜大学生)が次々とTwitterでマネをはじめました。

以下、その様子です。

 

Twitterでの電話番号&口座晒し祭り

 

 

 

 

この他にも「電話番号」や「口座」などで検索するとあれよあれよと引っかかります。

家入さんご本人がRTしてくれているので、彼のTLを見ればその多さがよくわかります。

togetterにもまとめられているので、興味のある方はどうぞ。

 

リスクを考える

 

 ローソンでアイスになったり、ウインナーをかじっちゃったり、バンズをベッドにしちゃったり、情報リテラシーが欠如した人が連日のように吊し上げをくらっています。

あれだけ報道されれば、少しぐらいネットの怖さを理解して、個人情報を載せるリスクに気がつくとは思ったのですが、あまり効果が無いものですね。

 むしろ彼らはリスクに気がついてなさそう。「SNSで悪ふざけしてる馬鹿共wwww」とか笑いながら、自分のプロフィールに口座番号と電話番号を書く。どこか「自分たちは違う」という意識があるのでしょうか。

とりあえず、Twitterで電話番号や口座を晒す事のリスクを考えてみましょう。

 

 

1. 口座の凍結

 

実は僕もネット乞食の経験がある。詳細は省くが、若気の至りでした。

とあるネットバンクの口座を使ったのだけれど、口座を晒して一ヶ月後ぐらいかな、

突然家に「口座を凍結しました」という手紙が届いた。

文面はうろおぼえだが、「不正利用のため」と書いてあったのは覚えている。

ちなみに、この時は1円も入金されていなかった。

再開はできなかったので、違うネットバンクで再度口座を開設した。

http://d.hatena.ne.jp/NOV1975/20130801/p1

こちらの記事でも言及されているが、口座の凍結や不正利用が疑われた結果、信用情報が毀損されることもある。

 

 

2. 押し貸し詐欺

 

これも上記の記事で言及されているが、一時期話題になった。

サラ金会社等が金を入金し、後日「あれは貸したんだ」と金利とともに押し寄せてくる。

もちろん払う必要は無いが、簡易裁判等の必要があるため、非常にめんどくさい。

 

 

3. ネットに情報が残る

 上記2つは正直無視してもいい気がするが、僕が一番怖いと思っているのはこれだ。

こういったいわゆる”情弱祭り”は、ネットの古株達から猛烈に叩かれる。

その結果、各地のブログやサイトで取り上げられ、情報が残る。

また、お祭り好きな彼らも放って置かない。↓↓

【悲報】Twitterで携帯番号晒しが流行 なう民「本当の繋がりってこういう事なんだ」

 

2chでスレが立つ

暇な人がアカウントから過去の粗探し(未成年喫煙や犯罪自慢など)

炎上

人生終了

 

という完成されたストーリーは、結構な確率で起こりそうだ。

また、2chの住人だけでなく、口座を晒している人物の身近な人が炎上を起こす場合もあ

る。以前こちらの記事で、僕の高校時代に起こった、同級生の2ch炎上事件について

触れた。閉鎖的な前略プロフィールという環境から2ちゃんねるへと火種を運んだのは

間違いなく彼女の身近な人物だった。

 こういった電話番号晒しに対して、嫌悪感を持つ人は少なくない。

もしフォロワーに、ちょっぴりネットに詳しく、あなたに嫌悪感を持つ人がいた場合、

晒し上げをくらう可能性だってあるのだ。

 

4. マルチや悪徳商法への勧誘

 

こういうお祭りに、盲目に参加しちゃう人たちはとても純粋だ。

人の思想にとても染まりやすい。

家入さんが発信するような「自由」という強烈な思想を叩きつけられると、簡単にその色に染まってしまう。

 

また、今回のような「他の人とは違う」お祭りに参加しちゃう人って、大抵の場合は自分の周囲のコミュニティから浮いている。だから同じ思想を持って、同じ行動をする仲間に飢えている。だから仲間と結びつきたがる。

 

僕だったら、彼らの電話番号を全てリストアップする。

そして、一人ひとり電話をかける。

 

僕「僕も家入さんに影響されたんです!感動しましたよね!こんど飲みましょう!」

 

彼らのツイートを見る限り、このような交流は普通になされている。

一緒に飲みにいける確率は高いだろう。

のこのこと居酒屋にでも誘いだしたら、マルチ商法への勧誘だ。

僕「自由な生き方、俺と一緒に試してみない?」

とかなんとか言って、アムウェイあたりを薦めたらイチコロだろう。

 

後日詳しく書こうと思うが、最近大学生の間でアムウェイの勧誘が流行している。

僕も成功者(笑)に呼ばれてお話を聞かされたことがあった。

「起業します!」「自由な生き方」などを謳っていた先輩の何人かは、本当にマルチ商法をはじめてしまった。

「自由に生きたい、でも金持ちになりたい」と考えるような人達って、本当に甘い言葉に弱い。僕が書いた勧誘方法は、わりと有効じゃないかと思う。

 

おわりに

とりあえず色々とリスクをあげてみた。

ちなみに、僕は家入一真さんのことはわりと好きだ。

著書も何冊か読んでいる。

とてもいい加減で、自分の好きなことを好きなようにやっている馬鹿な大人。

高田純次さんみたいで嫌いになれない。

 

その事を踏まえた上で、僕が今回口座や電話番号を晒している人たちに言いたいのは、一歩引いて考えてくれ、ということだ。

家入さんが口座晒しと電話番号晒しをしているのは、彼が起業家という特殊な人生を選択し、「家入一真」というブランドを築いた後で、捕らわれない生き方を目指しているからだ。

 

今のあなた達は、家入さんが創った箱庭で遊んでいるだけだ。

同じコミュニティへの所属を求める人達と、馴れ合う事で快感を得ているだけだ。

あなたが起業をしたりだとか、フリーランスで生きるとか、自由な生き方をしたいのであれば、その箱庭で遊んでいるだけではいけない。

その箱庭を創る側の人間こそが、自由な人間なのだ。

もし、普通の務め人を目指すのであれば、ネットに個人情報を晒す事は大きな障害になる事に気付いてほしい。

 

また、一つの考え方だけを吸収して、その思想に染まらないでほしい。

強烈な黒に染まった人は、周りの人にも同じ思想を強要しやすい。

「電話番号晒しは素晴らしい!口座晒しという新しい稼ぎ方!やらない奴らは馬鹿だ!」

こんなツイートが僕の本垢のTLにも流れてくる。

 

あらゆる考えに言える事だけど、自分と正反対の考えもきちんと咀嚼するべきだ。

立ち止まって、上記のようなリスクを考えた結果、どうしても口座を晒したいなら、晒せばいい。でも、自分と違う考えの人を批判するな。

 

友人から「なんで番号晒してるの?」って言われたら、その友人を説得できるぐらいの面白い考えを言えるようになってくれ。「家入一真がやってるから」なんていうのは持っての他だ。

 

人の考えに飲み込まれるとロクなことがない。

安藤美冬さんに影響され、ノマドに憧れて仕事を辞める前に、常見陽平さんあたりの否定派の本も読んでボロクソにされるといい。相反する思想を取り込んで、咀嚼し、自分の中に落とし込もう。それから自分で決断を出せば、「意見を持ってる人」に見えるんじゃないかな。

 

 

 

 

 

いやー、しかしなんでしょうね。

口座を晒して托鉢し、同じコミュニティの人達とつながる事で安心を求める。

一昔前に流行したヒッピーのような物なんでしょうか。

いつの時代にも同じようなコミュニティは存在するんでしょうね。

 

絶望の国の幸福な若者たち

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