次世代コミック「Recomic」は漫画から何を奪うか
紙では実現できない、電子書籍ならではの次世代コミック「ReComic」が誕生
読んだ。
電子媒体ならではの特性を活かし、圧倒的な臨場感が楽しめる次世代コミック「 Recomic 」が、電子貸本Renta!よりリリースされました。静止画ともアニメとも異なる新世代のコミックとは、一体どんなものなのでしょうか。
実際サンプルをいくつか読んで見ましたが、手っ取り早く知るならこの動画を。
なんだろう、この「コレじゃない」感は。
僕はKindleで読書もするし、読み終わった紙書籍はScansnapで裁断して自炊している。
だからわりと電子書籍には抵抗が無いはずだ。
でも、なんだろう、このRecomicに感じる違和感は。
大体似たようなのは何年も前からクリムゾンがやってるじゃないか
解釈の強制
僕が感じるこのイヤな感じはなんだろうって、考えてみた。
それはきっと、自分の頭で補完する機会を奪われるせいじゃないだろうか?
想像力を働かせる度合いは「小説>>漫画」だとしても、
僕は行間(コマ間?)を読むのが好きだ。
みんな自覚はしてないかもしれないけど、
漫画を読むのが好きな人って、みんなそうじゃないだろうか?
1コマ1コマ、自分の頭の中でキャラクターが動いてる。
コマの中に書き込まれた擬音を、想像力をフルに働かせて脳内再生する。
走ったり、跳んだり、生き生きと頭の中で動く瞬間がある。
そんな脳内補完の可能性を、この「Recomic」は奪ってしまうんじゃないだろうか。
コマが動いたり、キャラクターが動いたり、
僕達が受け取れる情報は作り手が脳内補完したものだ。
このギミックの監修をするのが作者ならまだいい。
Recomic特集ページの佐藤秀峰先生のコメントを見る限り、
おそらく佐藤先生は監修や編集をしていない。
つまり、第三者が勝手に解釈した物を読まされることになる。
そんな受け身な読み方、僕は嫌だなぁ。
時間の強制
それに、サンプルをいくつか読んだ方はわかると思うが
動きが非常にモサい
1コマ1コマ、これでもかとアニメーションが入ってる。
まるでパソコンが苦手なオッサンが作ったパワーポイントみたいだ。
漫画って人それぞれのテンポがあるけど
Recomicでは時間さえも作り手に強要される。
でも、漫画家の視点から考えてみると、
1コマ1コマじっくり見てもらえるから、嬉しいのかなぁ?
このへんで書き手と読み手に食い違いが起こるんだろうなぁ
完成した物に、手を加える難しさ
ブコメにもあったけど、Recomicの問題点は、
「完成した物に筆を加える難しさ」だ。
どの作品もちょっと古いエロゲのOPみたいだよね
漫画が好きな人、自分なりの解釈が好きな人にとって、Recomicはなんの魅力も無いだろう。
でも、テレビのバラエティをぼーっと見ているのが好きな人や、
漫画や小説をあまり読まない、ライトな層にはヒットするかもしれない。
今後どうなるのか、チェックしたいと思う。
ゲームブックドラゴンクエストII―エニックスオリジナル版 (下) (エニックス文庫)
- 作者: エニックス出版局
- 出版社/メーカー: エニックス
- 発売日: 1989/09
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る
PS:田舎育ちで娯楽がなかったために、古本屋で買ったゲームブックを狂ったように読んでました。電子書籍でもゲームブックが普及してほしい。